古代米浦部農園で実践的な研修を


 有限会社古代米浦部農園は、1990年から有機栽培一筋に、米・麦・大豆を生産してきました。
 2012年における栽培面積は約27ヘクタール、その全ほ場で有機JASの認証を取得、生産物を自力でエンドユーザーに売り切るという販売方法で年商6000万円以上を売り上げ、安定した健全経営を行っています。
 農園スタッフは、研修生4人を含めて総勢8名、全国に約8000名の顧客を有するほか、自然食品店や一流ホテルとの取引も行っています。
 2004年に法人化してからは毎年研修生を受け入れ、栽培技術の他に販売・経営のノウハウや、農業関連の法規、制度等についてもきめ細かく指導し、これまでに8人が農業者として巣立ちました。8人全てが今も農業者として頑張っており、一人の脱落者も出すことなく経営を続けていることは浦部農園の誇りです。

有機稲作で独立!安定経営を可能に

農業と一口に言っても、その分野は多岐にわたり作目毎に初期投資の額や経営規模、収支はさまざまです。そのなかでも稲作は最も経営困難といわれる作目ですが、浦部農園は消費者に支えられ安定した経営を実現してきました。
 稲作は日本農業の背骨ともいうべき作目です。日本の食を担い、日本の風土に培われ、日本の文化を育んできた根幹ともいえる作目です。それなのに米が大切にされていない、そして食糧自給率が3割という事実に衝撃を受け、
浦部農園は、発足当時から一環として米・麦・大豆の基幹作物に特化して経営をしてきました。
 ありがたいことに浦部農園を支えてくださるお客さまは毎年口コミで増え続け、また、愚直に米・麦・大豆を作り続ける中で2年3作による抑草技術を確立することもできて、原発事故の影響も乗り越えて今年もまた、研修生を募集することができます。

 米・麦・大豆の、いわゆる土地利用型農業は、野菜などに比べて初期投資が大きくなります。そのため新規参入には資金の調達から二の足をふむ方も多いのですが、穀類は長期間の保存が可能ですから、系統出荷に頼ることなく自力でエンドユーザーに販売していく時間的余裕があります。長い目で見れば安定した経営を確立することができますし、資金調達についても、公的融資の制度が充実していますので、技術と決意さえあれば非農家出身、農外からの就農であっても独立が可能です。

決意するなら一刻も早く、研修は実践的に

 但し、初期投資が大きいだけにその回収にかかる時間も必要です。初期投資の回収と再投資の準備に10年、子育てや住宅取得をしながらの10年、そして老後準備のための蓄積期として10年と考えると、遅くとも30代半ばまでには独立したいものです。さらに、有利な融資や手厚い助成もおおむね40才までで打ち切られることなども考慮すると、農業で生きていきたいなら一刻も早く決意すること、そして最も効率的に実践的な技術を身につけることが大切です。

 浦部農園が研修生の受け入れを30才までと区切るのも、研修期間を2年間と定めるのも、こうしたタイムテーブルを意識してのことです。30才以上でも本人が希望すれば研修を受け入れますが、年齢が高くなればなるほど条件が厳しくなることは理解しておいた方がいいでしょう。

トラクターにも習熟、ここを最後の研修場所に


 浦部農園では、ここを最後の研修場所にして農業人として巣立っていくことができるよう、実践的な研修を行っています。特に、農業機械の習熟を重視し、研修1年目で大型特殊の免許を取得、トラクターやコンバインなど必須の農業機械による作業を徹底的に指導します。
 現代農業においては、どんな作目であってもトラクターは必ず使いますが、研修先でトラクターの指導を受けられることはきわめてまれだというのが実態です。トラクターの操作に習熟しない限り独立できる技術水準に達しません。農業機械の習熟は農業人として生きていくための必須の技術ですが、農業機械は高価で、代替がききません。故障で修理ということになれば修理代も高額で、しかも修理にかかる間作業が止まってしまいます。農業はとりわけ適期の作業が重要で、適期を逃すと壊滅的な被害が発生することもあります。こうした事情から、ほとんどの事業所で、未経験者に農業機械を任せることはないのです。研修生が操作に習熟できるほどトラクターをのせてくれるところはないと思った方がいいと思います。
 浦部農園でも、400万円以上のトラクターや700万円以上のコンバインなどを研修生に任せるのは正直恐ろしいのですが、これを教えない限り一人前にはならないと腹を決め、万が一の事故や故障に備えて複数台の機械を装備して、研修生に農業機械の操作を教えています。大型特殊の免許も取得させますので、しっかりと技術を身につけることができます。
農業機械操作だけでなく、有機栽培の技術、販売や経営のノウハウなど、独立するために必要なことを指導します。そのため、2年間は非常に密度の濃い研修となりますが、時間を無駄にせず前へ進むためには、息を詰めて走りきるくらいの覚悟を持って望んでいただきたいと思います。
 独立できる技術水準があれば、雇用を希望した場合にも即戦力として歓迎されることでしょう。

 ただいま、平成25年度研修生を募集中です。
本気の有機農業で、未来を切り拓いていきませんか。浦部農園が全力でバックアップします。

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第9期 研修生募集   研修生指導要綱(全体)