圧力鍋で炊くおいしい赤飯

ハレの日のごちそう、お赤飯

食材の作用、効能

体と自然は切り離せない


圧力鍋を使いこなそう

前回は、玄米の炊き方を紹介したところ大変好評で、これを機に圧力鍋をご購入されたお客様も大勢いらっしゃいますので、今回は圧力鍋を使うレシピとして赤飯をご紹介します。

ハレの日のごちそう、お赤飯
 
 人生の節目の祝い膳や、祭りなどの季節行事に欠かせないお赤飯。使われるのはもち米と小豆ですが、このふたつは、餅やちまき、おはぎなど、それぞれ単独でも伝統食に使われるおなじみの食材です。
 日本人は昔から特定の日に食べる食事と毎日食べる食事とをハレとケとしてはっきりと区別してきましたが、今ではそうした文化は影をひそめてしまいました。 でも、ハレの日ケの日を区別するのは、それなりの意味があってのこと、人々は長い歴史と経験から、食材の持つ効果効能を読み解き、日常不断に食すべきものと季節や人生の節目に食すべきものを知り、それを生活の中に取り入れ食文化として後世に伝承してきました。お赤飯はその代表格といえます。

食材の作用・効能

 よく、すべての食材には効能がある、と言われますが、薬膳ではそれを五味五性として、様々な食材を分類しています。
 五味五性のうち、五性とは、食べることによって体を温めたり冷やしたりする性質(食性)をあらわしたもの、五味とは甘い、辛い、酸っぱいなど食材の持つ味(食味)が、内臓の働きとつながっているとして、身体への作用をあらわします。
 赤飯に使われるのはもち米と小豆です。なぜ小豆ともち米かは、その食性食味を見るとよくわかります。

小豆は邪気を払う

 小豆は【甘酸/平】とされ、食性は穏やかな平性食品ですが、食味に酸味と甘味をもちます。甘味は、補益・和中・緩急すなわち人体に不可欠な機能や栄養物質を取り込んだり、胃を整え消化を穏やかにしたり、身体を緩めたり早めたりと調節をする作用をもちます。 酸味は、収斂・固渋といってだらだらした体調を引き締めたり、慢性の汗や渋り腹などを防ぐ作用があり、肝臓とつながりがあるとされます。とりわけ利尿排便作用は顕著です。リンパの流れを整え肝臓をいたわることから、邪をはらうと信じられてきたのでしょう。

もち米は代謝を促す

 もち米の食味食性は【甘/温】とされ、うるち米の【甘/平】に対して体を温める力が強いとされます。
うるち米は平性食物、すなわち穏やかな性質で毎日摂取しても大きな変化を体にもたらすことがなく、したがって特別な注意を払うことなく毎日気軽に摂取できるのですが、温性食物であるもち米は体を温めます。体が温まれば内臓も温まり、内臓の働きも活発になります。温められることで血液の流れがよくなり、身体の動きが活発になります。そのうえ気力を増強させ、血液の内容を高めて、代謝を活発にします。
 太りたくても太れない人や、母乳の出が悪い人にもおすすめの食材です。

バランスが大事

 おやおや、いいことばっかりじゃないか、それなら毎日食べてもいいのでは?とおもった方もいらっしゃるかもしれません。
 確かにいいことばかりのように思えますが、温熱性だけでなく寒涼性とされる食物の性質を知ると、そんな簡単なことではないのがわかります。
 寒涼性の食物を摂ると、清熱・瀉火という作用が始まり、体内で発生する様々な炎症を抑えます。また、血液浄化をはかる力があり、解毒の作用も備えています。さらに利尿を促進させる働きもあります。また、厄介な体内に溜る老廃物を除去する力があり、風の邪気を追い出す働きもあります。
 五性のうち、平性以外の温・熱・寒・涼の性質は、食することで何らかの作用を体に及ぼしますから、偏らないよう注意が必要なことがわかりますね。

季節と体

 季節に春夏秋冬があるように、人間に老若男女があるように、いのちに生病老死があるように、心に喜怒哀楽があるように、人の体は一時として同じ状態ではとどまりません。同じではないけれども常にある一定の状態を保ちますし、保とうという努力をしています。
 心身の恒常性を健全に維持するためには、アクセルとブレーキのようにその時その時によって体への作用を加減しなければなりません。でも温・熱・寒・涼だけでは平常運転はおぼつかないですね。平性食物を摂ることを中心にして、季節や年齢で体がゆらがないように、温・熱・寒・涼の食性を利用すれば、無理なくバランスをとることができますし、それが食文化の根底を流れる民族の知恵だと思います。

体と自然は切り離せない

 24節季という言葉を聞いたことがありますか。
 節分を基準に1年を24等分して約15日ごとに分けた季節のことで、気候と暦のずれがないので、農業の目安として日本でも古くから使われてきました。
 人は自然の産物ですから季節のめぐりの影響を受けます。春から夏、夏から秋、そして冬へと変わるときには何かと不調が起こりやすいもの、とりわけ長い冬から春に向かうときには木の芽時などと言って、いろいろと難しい病気が出やすい時期とされてきました。 人の体にも季節があり、厄年という言葉にあるように、青年期から老年期に至るまでにいくつかの節目をこえながら人生を送ります。

季節の変わり目は体の変わり目

 季節の節目を節句といい、様々な伝統行事とともに伝統食が伝えられてきました。それは、前の季節の間に身体にたまった老廃物を代謝して次の季節にふさわしい体を準備する知恵だとおもいます。
 どんな老廃物を除去し、どういう準備をするのかは季節や年齢で違ってきますが、その節目節目でいつも用意されてきたものがお赤飯です。もち米で体を温めて代謝をよくし小豆で解毒を行う、まさに季節や体のの変わり目にふさわしい伝統食といえますね。

暮らしの知恵を次の世代に

 季節感が希薄になった今の時代には馴染みが無いようにみえますが、食文化や伝統行事は長い歴史の中でその必要性が検証されてきたからこそ今日まで伝承されてきたのだと思います。
 いつでも好きなものを食べることができるのは自由でよいことのように思えますが、生活習慣病やガン・アトピーといった難治性の病気が増えているのは、ひょっとしたら、そうした民族の知恵を見失ったツケではないかという気もします。
 団塊の世代の前と後とではそうした民族の知恵が遮断されているような気がして心配です。
 一昔前だったら家庭で親から子へと伝えられた暮らしの知恵を、家庭まかせにせず社会全体で伝えていく努力が必要かもしれませんね。
 ちなみに3月5日頃は啓蟄。土の中で縮こまっていた虫(蟄)が穴を開いて(啓いて)動き出す日のことです。農作業も「さぁ始まるぞ!」となる頃です。
そして3月20日は春分の日、4月4日清明と季節は移ろい、4月20日穀雨を迎えて種蒔きの時期を迎えます。
 実用的で美しい暦の言葉です。  

むくみとり、冷え予防にも赤飯

 あずきは利尿作用に優れているだけでなく、排便も促します。冷えやむくみ、便秘など女性に多い不調を和らげてくれます。
 もち米は、おっぱいがよく出るようになりますから、授乳中の女性におすすめですね。
 また、どうしても太れない、といううらやましい悩みをおもちの方にもモチ米はおすすめです。

お赤飯ではおめでたすぎるというときには、あずきの代わりにかむろ(極小黒大豆)を使えばラベンダー色に炊きあがります。
 お盆やお彼岸、法事など仏事にもお使いください。

 また、山菜おこわや栗おこわなど季節の食材を取り入れるのも楽しいですね。
 炊き方の基本は同じです。手早くできて美味しいので、時間がないときのおたすけメニューとしてマスターしておくと重宝です。

もち米をせいろで蒸すわけ

 もち米をおいしく食べるにはうるち米よりも水分を少なくする必要があります。
 うるち米を炊くときの水はお米の1.3倍前後ですが、もち米の場合は0.8〜1.0倍、この分量の水加減では米粒が水面から出てしまい、うまく炊けませんが、水を多くすれば仕上がりがべちゃつきます。
 しかしもち米はうるち米より吸水性が高いので充分吸水させたもち米なら、蒸すことででんぷんを糊化できるので、炊くより蒸すほうが向いています。
 とはいえ、もち米に吸水させただけの水分で蒸したのでは水分が不足し硬くなってしまいますから、ほどよいかたさに仕上げるには不足分の水を、蒸す途中で打ち水して補う必要があります。

圧力鍋でおいしい赤飯

 昨今の台所では、せいろに打ち水しながら赤飯を蒸あげるようなスペースはないでしょうし、まして大きなせいろは持っていないほうが普通と思います。かといって炊飯器で炊いたのではただやわらかいばかりで「おこわ」らしさがだせません。
 圧力鍋なら、せいろで蒸あげたようにおいしくつくれます。コツは吸水させないこと、時間を守ること。
あんまり簡単で拍子抜けするくらいですが、仕上がりは本格派。ぜひお試しください。

圧力鍋で炊くおいしい赤飯

あずき(大納言)…50g
水…2カップ
もち米(白米)… 3合
水…350ml
あずきのゆで汁…大さじ2
塩…小さじ1
ごま塩…適量■圧力鍋はフィスラーロイヤルを使用しています。
■もち米は農園産有機あくねもち450gを使用
■あずきの代わりに農園産有機大豆かむろをつかえば 美しいラベンダー色が楽しめます。

作り方

1.小豆はさっと洗って圧力鍋に入れ、分量の水2カ ップを注いで落し蓋をしてふたをする。圧力は高圧 にセットし、炎が鍋底からはみ出ない程度の強火に かける。

2.表示ピンが上がって2目盛が見えたらごく弱火に し、目盛を維持したまま5分加圧する。火を止め、 鍋底を水につけて急冷する。表示ピンが下がり、中 の圧力が抜けたらふたを開ける。小豆を食べてみて 少し硬さが残るくらいがちょうどいい。

3.小豆のゆで汁大さじ2を取り分けておき、小豆は  汁けを切る。

4.もち米は炊く直前に洗い、水けをしっかり切る。

5.圧力鍋をきれいにしてもち米を入れ、分量の水  350mlと小豆のゆで汁を合わせて注ぎ、塩を加えて ひと混ぜする。上にあずきを散らし、ふたをして圧 力調整装置を高圧にセットし、炎が鍋底からはみ出 ない程度の強火にかける。

6..表示ピンが上がって2目盛が見えたらごく弱火に し、目盛を維持したまま3分加圧する。火を止め、 そのまま自然放置する。表示ピンが下がり、中の圧 力が抜けたらふたを開ける。
7.天地を返すようにしてあずきを混ぜ込み、器に盛 りつけてごま塩をふり、あれば南天の葉を飾る。


  全ての食材には効能がある

 全ての食材には効能がありますが、残念ながらその効用を説明すると薬事法違反となるおそれがありますし、体に及ぼす効果を説明すれば医事法違反となるかもしれません。
 しかし、日本の食文化や生活の知恵は、食材の効能効果の知識に支えられてきたものがおおく、ことわざなどで残される先人の知恵もそうした知識があってはじめて納得できたりするものです。

  家庭の料理こそが薬膳

 こうした食材の効能・効果をよく知り、季節や環境、食す人の年齢や体質までも考慮して作られる食事を薬膳といいます。薬膳、ときくと、何か特別な素材を使ったり難しい調理方法で作る、特別な料理と思う方も多いかと思います。

 しかし、実は薬膳こそが家庭の料理。
 家族構成や体質、その日の体調、気温の変化や外での仕事ぶりなどを知り抜いた主婦が、家族みんなが健やかであれとのおもいをこめて作る料理こそ薬膳料理の原点であろうと思います。
 薬膳という言葉は、今から約2000年も前の古代文献「列女伝」に使われており、「母親が作る薬膳は情愛のこもる、なにものにも勝る食事」とあるそうです。

   自然の恵みに備わる力

 食材の効能/効果はそれほど強いものではありません。もし強い作用を及ぼすとしたら、それは日々食すには適しません。
穏やかでゆるやかな作用だからこそ、体質や年齢構成の違う家族が同じ献立を囲むこともできれば、個人の嗜好で多少偏った献立が続いたからといって大きなトラブルを引き起こすことはないのです。

 けれど、その効能効果を知った上で食事を作れば、季節の変わり目や、人生の節目の年齢など、体の不調をおこしやすい時期を上手に乗り越えたり、未病の状態でも食事で体調を整えたりすることができ、大きな病気を未然に防ぐこともできるでしょう。

 たくさんの知識を学ぶことは難しくても、おなじみの食材だけでも、食性・食味を知ることができたら、毎日の献立作りのお役に立つことでしょう。 

  食性ということ

食性はその食べ物が体にどう作用するかを表し、食べることによって体を温める力を持っているのか、あるいは体を冷やす力があるのかで、「温性」「熱性」「寒性」「涼性」そして「平性」の五性に分類されます。

「温性」「熱性」は体を温め「寒性」「涼性」は冷やしますが、同時に体のなかまでも温めたり、冷やしたりします。

 「温熱性」体を温める食性

体が温まると、内臓も温まり、内臓の働きが活発になります。血液の流れも活発になり、体の動きも活発になります。気力を増強し代謝も活発になります。

 「寒涼性」炎症を抑えて血液を浄化

一方、寒涼性の食物は、体内で発生するさまざまな炎症を抑え、血液浄化を図り、解毒の作用も備え、さらに利尿効果もあります。
また、老廃物を除去し、ウィルス等の風の邪気を追い出す働きもあるといいます。

 穏やかな効能の「平性」食物

  温熱性でも寒涼性でもないのが平性食物。
 効能が穏やかで、毎日摂取しても特別な注意を払う必要もなく、気軽に食することができる食物で、私たちが毎日食べている食物の約7割、とりわけ穀物のほとんどが平性食物です。
 
 食事のメインは穀物で

穀物のほとんどは平性ですが、なかには大麦のように「涼性」のものや赤米のように「温性」のものもあります。
 大麦や小麦は秋から春にかけて育ち、初夏に収穫されますから、夏の火照りをとってくれる性質がありますが、米の中でもとりわけ晩稲の赤米は霜が降りる頃に収穫され、厳冬期の体を温めてくれます。

季節や年齢で穀物も多少の使い分けはできますが、大きな変化をのぞむより、微調整くらいに考えて。
 毎日の食事の中心が穀物であれば、副食の変化でバランスがとりやすくなります。

 食味ということ

 食物には必ず味があります。 
 酸味・苦味・辛味・鹹味・甘味の5つに大別され、これを五味といいます。
 全ての食物は、必ず五味の中のいずれかをそなえていますが、一つの食物でいくつもの味を備えているものもあります。

 五味は五臓とつながっている

 中国古典医学では五味は五臓とつながっていると考えます。また季節とも関係すると考えます。それだけではなく筋肉や皮膚などの体のいろいろな部分や、色、気質性質までもかかわっていると考えます。 

 たとえば 酸味は肝

 たとえば、酸味は収斂・固渋の働きがあり、肝とつながっていると考えます。といっても肝臓そのものを指すのではなく、肝臓/胆嚢/筋肉/目など作用が流れていく経路(帰経)にそう臓器にかかわると考えますから、あまり簡単な話ではありませんが。

 肝臓がお疲れかなと思ったら

 肝は春の臓器であり、怒りの臓器ともいわれ、色は青とされます。
 肩こりがひどかったり目が疲れていませんか。いつも穏やかなひとがどういう訳か青筋を立ててすぐ怒ったり・・ひょっとしたら肝臓や胆嚢がお疲れかも。
 こんな時は、酢の物を一品増やして、ちょっと香辛料と油はひかえたほうがいいかなあ・・なんて具合に献立のヒントが隠れていたりしますよね。

 伝統的な季節料理や献立がヒント

食味食性を知り、その働きを季節に沿って美味しく体内に届けるのが薬膳ですが、ここまで勉強するのは毎日の暮らしではちょっと大変。
 でも、ありがたいことに日本でも薬膳の知恵は、先人が暮らしの中に残しておいてくれました。
春先には貝とワケギのぬた(酢味噌和え)がよく食卓に上りませんでしたか。
 日本人の食文化の中に、季節の食材と調理法に薬膳のヒントが隠されています。
まずは伝統的な和食の知恵を見直すことから始めれば薬膳入門も難しくはありません。

 食材のはたらきには大きく分けて食性と食味があります。これらはさらに5つに分類されて食性に五性あり、食味もまた五味ありとされ、五味は五臓につながっているといいます。

 食事作りに3つの指標

 食べることは楽しいこと、せっかくの楽しみを考えすぎて苦しくならないように、食事作りの3つの指標をアドバイスします。

 腹八分目に病無し

 食事を制限された猿が、好きなだけ食べさせた猿より老化が遅いということは実験でも確かめられています。
長い進化の歴史の中で飢えなかった時代は現代だけ。進化の歴史は飢えと隣り合わせでしたから、人の体も飢餓には強くても、飽食には安全装置が働きません。食事はシンプルに、そして食べ過ぎないこと。これが第一の指標です。

  歯の役割通りに食べる

人間の歯は、臼歯/門歯/犬歯の割合が5:2:1ということは自分の歯をみればわかりますよね。
 臼歯は穀物をすりつぶすための歯、門歯は野菜や根菜をかみ切る歯、そして犬歯は肉や魚を噛みちぎる歯、長い進化の歴史の中でわたしたちの祖先が獲得した食性の痕跡が歯の形です。 
日本人の伝統食の基本は一汁一菜、あるいは一汁二菜といわれるように、穀物と野菜・根菜そして肉や魚の割合が、ほぼ歯の構成に準じています。昭和三〇年代くらいまではどの家庭でもそうでしたし、お弁当箱のおかず入れは2割ほどしかありませんでした。今の時代、主食がどこかにかくれんぼして、副食ばかりになっていませんか。歯の役割どおりのバランスで食べる、これが第二の指標です。

  身土不二・一物全体

 今ほど移動手段がなかった時代には、自分の生まれ育った環境がもたらす恵みが命の糧でした。そして高度な道具をもたない時代には自分たちの力で手に入るものだけが命の糧でした。
環境に育まれて獲得した人間の食性は、国や地域、民族によって多様です。流通網が発達した現代、のぞめば世界中の食材が手に入ります。
でも食性の獲得には300年かかるという説もあります。珍しい、おいしいだけではいのちを養う食事にはなりません。自分をはぐくんだ環境からの恵みを、できる限り丸ごといただく事。
 身土不二・一物全体が第三の指標です。

  浦部農園の穀物の食味/食性

 冷え性に効くお米はどれですか?あるいは血圧を下げるお米はどれですか、・・・といった、西洋医学のお薬のように即効性の効果を期待される質問をお受けすることが多いので一言。
 全ての食材には効能があるけれど、穀物は、毎日食べても安心な穏やかな作用の平性食性です。
 強い効果や作用はいい方ばかりに働くとは限りません。穏やかな平性食性をもつ穀物だからこそ主食の役割を果たせるのです。
 穀物を中心にして、季節の巡りや、年齢、その時々の症状をみながら副菜を工夫することが、一番理にかなった食し方と思います。
ご参考までに、古代米浦部農園産の穀物の食性と食味を下記に記載しました。岡本さんの蜂蜜ご愛用の方もご参考に。

 食 材  食味/食性  帰 経 効  能 
 玄米  甘/平  脾胃肝腎  安神.化痰.健脾.補気.利水.補肝腎
 黒米  甘/平  脾胃腎  健脾.補肺.明目.活血.補腎
 赤米  甘/温  脾胃肺  補中.補気
 大麦  甘鹹/涼  脾胃  利水・通淋.健脾和胃
 大豆  甘/平  脾大腸  健脾.寛中.補気
 黒大豆  甘/平  脾肝腎  活血.利水.解毒.健脾.益腎..滋陰.補血
 ウルチ米  甘/平  脾胃  補中.補気.健脾.和胃
 モチ米  甘/平  脾胃肺  補気
 インディカ米  甘/温  脾・胃  健脾.和胃.温中.止瀉
 蜂蜜  甘/平  脾胃肺大腸  止咳.潤肺.通便

本当に美味しい玄米の炊き方を知っていますか
玄米を炊く前に知っておいて欲しいこと
命ある玄米を見分けるために
圧力鍋で炊く基本の玄米
カムカム鍋で炊く失敗なしの玄米

体を癒す玄米の力

 年末に体調を崩したときに、本当に助けられたのが玄米クリーム。そして少し良くなったときにありがたかったのが、玄米粥と鉄火味噌でした。
 いずれも食養生の基本中の基本、優しい味と滋養が弱った体にしみわたります。

本当に美味しい玄米の炊き方を知っていますか

 玄米が炊ける炊飯器が浸透してきたのは玄米食の普及に一役買っているとは思いますが、時間がかかるうえに美味しさという点ではまだまだ。
 かといって圧力鍋で炊く玄米も、時間短縮を目的にした圧力鍋付属のレシピでは本当の玄米ご飯の美味しさは味わえません。一度覚えたらやみつきになる本当に美味しい玄米の炊き方を伝授します。

時間を惜しまず気持ちをこめて

 本当の美味しさに出会うにはわずかな時間を惜しまないで。特に初めて挑戦するときにはつきっきりで火の番をするつもりで。
 いったんコツがつかめれば、そのあとは楽になりますし、時間のあるとき、まとめて炊いておき、1食分づつ冷凍しておけば、10分ほど蒸し器で蒸すだけで美味しい玄米ご飯がいただけます。せっかく手間暇かけて作るのですから温め直しに電子レンジは使わないこと。蒸し器はいつでも使えるように使い勝手のいいものを一つご用意されることをおすすめします。

調理器具や熱源によっては微調整を

 圧力鍋も熱源も、ご家庭によって違います。ここでは、熱源はプロパンガス、圧力鍋はフィスラーロイヤルを、内鍋はカムカム鍋を使いました。
 圧力鍋が高圧ー低圧と選択できる場合には高圧でセットして下さい。
圧力鍋はメーカーによって圧のかかり方が違いますので、レシピの分量や時間でうまくいかないときには微調整をお願いします。
 最後の炊きあがりは自分の目と耳で確かめて。

 失敗しない小道具としてご紹介したカムカム鍋はオーサワジャパンだけで入手できます。
 農園は代理店となっていますので、質のいい調味料等も含め、全商品原則5%offでお取り寄せできます。ご興味のある方は農園宛にカタログをご請求下さい。

玄米を扱う前に知っておいて欲しいこと

 玄米食の普及とともに目立って増えたのが玄米に籾や異種穀粒が混入しているというクレーム。消費者にとっては玄米も白米も同じという感覚でしょうが、生産農家から見るとじつは全く事情が異なります。

というのも日本の農業機械の基準は精米を最終商品として想定しているため、玄米についてはある程度籾が混入していてもかまわないことになっています。 一方で日本の精米機は大変性能が高く、籾のまま処理しても精米できるほどのものさえあるほどです。
精米したお米を供することが前提となっている国の基準に基づくため、今のところ玄米の段階で籾を完全に取り除く機械はありません。いかに農家が細心の注意を払っても玄米の段階で必ず籾は混入します。 混入籾を取り除くには、人間の目で取り除くか、高価な色彩選別機を装備しなければなりません。

玄米を炊く前に

 玄米食が今ほど普及していなかったとき、玄米を洗う前にお米を点検することはいわば常識でしたが、玄米食が普及してきた今日、白米を炊くときと同じように、計量したらお米を確かめることなく洗ってしまう方が大変多くなりました。その結果、籾をかんでしまい不快な思いをする方も。 
 そのクレームは農家に寄せられるのですが、でも、ちょっと待って下さい。そこまで農家に要求したら小さな農家は機械装備だけでつぶれてしまいます。
 せっかく命あるお米を食べるのですから、ちょっとお米を見てみませんか。1食分見るくらいならたいした時間はかかりません。

命ある玄米を見分けるために

 でも、お米を見る目的は異物をとりのぞくだけではなく、命ある玄米とそうでないものを見分けるため。 カメムシに吸われた黒い瘢痕などがあってもしっかり生きて発芽する力を持つ米もあれば、指の腹でつぶすと崩れてしまうような命を失った米もあります。 洗う前にお米を見ていただきたいのは、こうした死んだお米を取り除くため。白く濁って艶のない米を見つけたら指の腹でつぶしてみて下さい。崩れずしっかり形を保っていれば大丈夫ですが、崩れるようなら死んだお米、洗うまえに取り除いておきます。
 この一連の作業をするときに、ついでに籾を取り除いていただければいいのです。方法は、バットを一つご用意いただき、少しずつ薄く広げて確認をします。

圧力鍋で炊く基本の玄米

玄米 3カップ    水 玄米の1.3倍
塩  小さじ1/3

■玄米の分量が変わると水分量(割合)も変わります。
■焦がしてしまったり、炊きあがりに時間がかかりすぎるようなら水分量を1.2倍から1.4倍の間で加減します。

  作り方

1 バットなどを用意し、玄米の籾などを取り除き、選別する。

2 水の中で玄米を両手の平で優しくこする。水が濁らなくなるまで洗い、ザルにとる。

3 ザルにとった玄米をそのままボウルに入れ、玄米がかぶるくらいの水を入れてザルごと振り洗いしてから、水からあげる。

4 玄米の水を切り、水、塩とともに鍋に入れる。
   ! 塩を入れるときは必ず手にとって、まんべんなくぱらぱらと入れます

5 蛍火に30分から40分かける
! 圧力がかからない程度の弱火です。フィスラーの場合にはピンがあがらない程度。

6 強火にして、蒸気が出てきたら1〜2分そのままにします。
   ! 強火にして圧を最大にかけます。フィスラーの場合には目盛りの2段目が見えるところまであがってから1~2分おきます。
     !  これは内部で対流を起こさせるためです。

7 すぐに火を弱め、再び蛍火で30分以上炊く。
! 弱火でも、最初の弱火とは異なり、圧をかけた状態を維持します。フィスラーの場合にはピンの1段目がつねに見えている状態を維持します。

8  一呼吸強火にして火から下ろし約10分蒸らす。
! 蒸気が止まり、ミシミシという音がしてきたらすぐこの段階に入ります。水加減火加減によってはここで焦がしてしまうことも。
    !   レシピにこだわらず自分の目と耳で確認して調整しましょう。

焦がすのが心配な方に

せっかく圧力鍋をご用意いただき、つきっきりで火の番までしたのに焦がしてしまった!!
 ショックですね(笑)
 焦がしたとわかったら、すぐに濡れ布巾の上にジュッと置けば、お焦げが鍋肌からするりとはがれます。
 そのあと、重曹を振りかけてしばらく水につけておけばきれいにとれますが、タイミングが悪いとお焦げを磨きとるのに泣きたい思いをして、もうこりごり・・なんてことも。

絶対に失敗しない極上玄米の炊き方

 でもご安心。奥の手があります。
 残念ながら小道具を一つご用意いただかなければなりませんが、一度購入すればその先長く使えます。 そのうえ、これさえあれば1時間を目安にタイマーをかけておけば、火の番からも解放され、絶対に失敗することのない極上玄米ご飯がいただけます。

魔法の小道具、カムカム鍋

 カムカム鍋を使って二重構造で炊飯する方法で、火加減や水加減による失敗がありません。
 カムカム鍋はオーサワジャパンだけで扱う商品ですのであまりなじみがないかもしれませんが、遠赤外線で焼しめた圧力鍋専用の陶器製内鍋で、玄米食を長く続けている方には愛用者が大勢いらっしゃいます。
 玄米食を続ける、と決意したら圧力鍋とカムカム鍋はセットでそろえることをお勧めします。

   毎日の調理にはカムカム鍋
 大人数のときには圧力鍋と使い分け


 というのもカムカム鍋は圧力鍋の内部にすっぽりと入るサイズしか使えませんから、どうしても炊飯量が少なくなります。そのため、毎日炊きたい分量でカムカム鍋の大きさを決め、圧力鍋はもう一回り大きいもの、カムカム鍋が入る大きさにする必要があります。
 カムカム鍋は玄米以外の調理にも使えますので、普段はカムカム鍋、大人数分を調理するときは圧力鍋と使い分けることができ、無駄がありません。

 今ちょうどいいサイズの圧力鍋をお使いの方は、圧力鍋に入るサイズのカムカム鍋しか使えませんので、思った分量が炊けないと思います。圧力鍋を買い換えるまで待った方がいいかもしれませんね。

カムカム鍋で炊く失敗なしの玄米

玄米 3カップ    水 玄米の1.2倍
塩  小さじ1/3

■火加減・水加減で失敗することはありません。
■炊きあがりは内鍋に入れる水の量で決まります。

作り方(1〜3までは基本の玄米と同じ)

1 バットなどを用意し、玄米の籾などを取り除き、選別する。
2 水の中で玄米を両手の平で優しくこする。水が濁らなくなるまで洗い、ザルにとる。
3 ザルにとった玄米をそのままボウルに入れ、玄米がかぶるくらいの水を入れてザルごと振り洗いしてから、水からあげる。

ここからがカムカム鍋の場合の手順

4 玄米の水を切り、水、塩とともにカムカム鍋に入れる。
   ! 塩を入れるときは必ず手にとって、まんべんなくぱらぱらと入れます

5 圧力鍋の内側にカムカム鍋をいれ、カムカム鍋のふたから1〜2センチほど下までくるよう、圧力鍋の(外鍋)に水を張る。
! ここまで入れておけば、外鍋の水は最後までなくなることはなく、焦がす心配もありません。

6 最初は強火にして圧をかけ、圧がかかったら中火にして同じ火加減で1時間炊く。
! 最初から圧力をかけます。
      フィスラーの場合にはピンの2本目の線がつねに見えている状態を維持します。。

7 1時間経ったら火を消し、約10分蒸らす。
! 10分ほどすると自然に圧が下がります。圧が下がりきるまでおくとちょうどいい蒸らし加減になります。
! 炊きあがりの固さや柔らかさを変えたいときは、カムカム鍋に入れる水の量で加減します。外鍋に入れる水の量や火加減を変える必要はありません。


古代米まんじゅう

中に古代米ご飯を包んだ素朴なおまんじゅうです。
小麦粉とご飯ですから育ち盛りの子供さんのおやつにいかがでしょうか。お菓子の甘さはありませんが、穀物のほのかな甘みと、食べてからの満足感は格別です。
残りご飯でできますのでおためし下さい

皮 
小麦粉(中力粉) 300g、塩小さじ3/4、とろろ芋適宜をまぜあわせ、好みで適宜米飴を加えたところに、玄米ドリーム(豆乳でも可)60ccを少しづつ入れて混ぜ合わせる。玄米ドリームの量は固さをみて加減する

一つにまとまったら少し寝かせ、30個にわけてまるめておく

まんじゅうのかざり
@古代黒米用に少量の黒米粉を水で練っておく 
A古代赤米粉を少量の水で練っておく 
B桜の花の塩漬けをみずですこししおぬきしてしぼっておく   

あん
@古代黒米のあん
 古代黒米:緑米を1:1の割合で炊きあげて、松の実 を適当に入れてまぜあわせる

A朱赤モチ米のあん
 果皮を取り除いた朱赤モチ米:緑米を1:1で炊きあげ、甘栗を刻んだものをまぜあわせておく
B彩穀のあん
 低アミロース米8と彩穀を9:1の割合で炊きあげ、梅酢を打っておく

@黒米まんじゅう
皮を薄くのばし、小さく丸めた黒米ご飯をあんにして丸める。
まんじゅうの点に小さく丸めた黒米の粒をのせて埋め込むように押さえておく

A赤米まんじゅう
丸めた皮の上に赤米の練ったものを平たくのばしてかぶせてからかわをのばして、赤米をあんに入れて丸める

B彩穀まんじゅう
皮をのばして彩穀ご飯を入れてまるめる
まんじゅうの天に桜の花をのせて指で押しておく

湯気の上がった蒸し器に入れて10分で蒸し上げる

早春の味噌作り

昨秋はとてもいい有機大豆がたくさん収穫できました。
大豆は副菜として調理したりご飯と一緒に炊き込んだりして頂くだけでなく、お豆腐や味噌、納豆な
どの加工を手がけるのも楽しいもの。大変そうに思える加工品もやってみると意外に簡単です。多少
の手間はかかりますが、いただくときのうれしさは格別のものがあります。

材料を用意します。
今回農園では1合の常滑の瓶を準備しましたので次の分量でつくりました。

☆材料を準備します 
   
1合瓶 できあがり1.5kg
有機大豆 325g  (さといらず・はつこい・さみどり等)
糀     500g(オーサワジャパン玄米糀または麦糀
塩     150g+30g(海の精赤ラベル)
大豆の煮汁 270ml(約1.5合)

☆写真 下
大豆は一晩水につけておきます。とろ火で2〜3時間、やわらかくなるまで煮ます。指でつぶれるく
らいが目安。
 
☆写真 上
煮上がった大豆をザルなどで引き上げ、少しさましてからすり鉢などでよくつぶします。この時煮汁
は捨てないでとっておきます。

☆写真 下
すりつぶした大豆がよく冷めたら、糀・塩・大豆の煮汁とよく混ぜ合わせます。
混ぜ合わせたばかりの時少し緩くても糀が徐々に水分を吸うので大丈夫。
 
☆写真 上
清潔な瓶に隙間なくつめていきます。
最後に取り分けておいた塩30gでふたをします。
押さえ蓋をして、重しをのせ密閉して半年から1年以上寝かせます。写真 下
 
重しは仕上がりの重さの5〜10倍ですが、味噌の上にうっすらといつも水があがっているくらいが目安です。

マクロビオティック・スイーツ

■米の粉で作るクレープ■

材料(5〜6枚分)
○クレープ生地:ドライ(よく混ぜておきます)
米粉 (古代米粉を1割り入れると色が美しい)...1カップ
葛粉・・・1/4カップ(パウダー状に砕いておきます)
塩・・・少々
●クレープ生地:ウェット(よく混ぜておきます)
豆乳・・・1と1/4カップ
菜種油・・・大さじ1(クレープパンの敷き油です。よく使い込んだクレープパンならなくてもいい)

☆米粉オレンジクリーム☆
米粉・・・1/2カップ
オレンジジュース・・・2カップ
マーマレード・・・大さじ2〜3杯(味をみて加減してください)
塩・・・少々

○ドライ生地に●ウェット生地の材料を加え、だまができないように泡立て器などで攪拌し、20分ほど休ませます。
クレープパン(フライパンでも可)を熱し薄く油を敷いたらいったんぬれぶきんの上で冷まし(瞬時のみ)、生地を流し入れ弱火で両面を焼きます。生地を入れたらすぐクレープパンを動かして生地を広げるのがコツ)
ザルなどをひっくり返したところに焼き上げたクレープを重ねていきます

☆鍋にクリームの材料を入れてよく攪拌しておいてから火にかけ、だまができないように練り上げます。
 とろみがついてから弱火で2〜3分くらいは練り続けて粉に火を通します。

焼いたクレープの片面にクリームを好きなだけ塗り、好みの形に整えます。

■穀物珈琲のゼリー■

材料
●珈琲ゼリー●
棒寒天...1本(水につけておく)
水...4カップ
穀物珈琲(粉末)・・・大さじ5杯
米飴...1/2カップ
葛粉...大さじ2杯(同量の水で溶いておく)
塩...少々

○クリーム○
絹豆腐...1丁
アーモンドクリーム・・・大さじ1杯
メープルシロップ・・・1/4カップ
塩・・・少々

●水につけておいた棒寒天を絞り、小さくちぎって2カップの水で煮溶かします
穀物珈琲・米飴・塩少々・葛粉・塩少々を2カップの水で溶き、寒天駅が熱いうちに加えてよく混ぜます。
型に入れて小売り水で冷やします。
○クリームの材料をフードプロセッサーに入れて攪拌し、ゼリーが固まったら上にのせます。

■おからのクッキー■
材料
全粒粉...150g
おから...150g
ジャム...1/2カップ
オイル...80ml
ココア...30g
塩...少々

全部の材料を混ぜて冷蔵庫で15分くらいねかせます。お好きな形に整形してオーブンで焼きます。

玄米おにぎり

玄米を洗います。ゴシゴシすり合わせる様にして洗うと、表面に傷がつき水分が吸収されやすくなります。
2〜3回水をかえて洗います。

玄米の1.3倍の水に2〜3時間浸けます。(冬場は一晩浸ける)自然塩少々を加えておきます。

炊飯器、土鍋、圧力釜などで炊きます。蒸らしの時間は、15分くらい充分とりましょう。

手に塩をつけてお好きなかたちに握って仕上げます。

肉団子

赤米、黒米(1種類でもよい)は、肉団子のまわりにつける分量だけ用意し、ひと晩水に浸します。
浸した水はとっておきます。

白米または玄米1合に対し、古代米をスプーン1杯加え、古代米を浸したときにとっておいた水を加え、いつもどうりに炊飯します。

根菜をフードプロセッサーなどでみじん切りにします。ごぼう、人参、レンコン、たけのこなどの根菜の他、
長ネギ、しょうがなどがおいしいです。

みじん切りにした根菜に、古代米入りご飯も混ぜて、塩こしょうで味を調えます。あればとり挽肉をすこし加えてもよいでしょう。
良いお味になったら肉団子型に丸めます。

丸めた団子のまわりに一晩水に浸した古代米をまんべんなくつけます。湯気ののあがった蒸し器で20分蒸したら
出来上がりです。

手まり寿司

白米1合に対し、古代米をティースプーン1杯混ぜ、いつもと同様に炊きます。

炊きあがったら、アツアツのうちに寿司酢を混ぜ、うちわなどで仰ぎ、さまします。

鮮やかな彩りにするために、ちょっとひと工夫。三つ葉、大葉、食用菊などを、熱湯にくぐし適当な大きさに切ります。
しらす、いりごまなどもまぜるとおいしいです。

酢じめにしたお好みのさかなを用意し、小さくそぎ切りにします。

ラップを10センチ角位に切り、魚をのせます。ごはんを一握りの大きさでその上にのせ、ラップの余った部分をキュっと握り、きれいに並べたら出来上がり。

おいしくて、かわいいお寿司です。

お肉なしでもできるおいしいナゲット

白米1合にスプーン1杯の古代米(雑穀入りでもいいです)を入れてご飯を炊きます。

人参、ごぼう、れんこんなど根菜類と、長ネギ、しょうが少々をフードプロセッサーなどでみじん切りにしておきます。
刻んだ野菜に、あればとり挽肉などを少量いれ、ごま、古代米ごはん、若干の小麦粉をあわせて練り、塩こしょうで味を調えます。

ナゲット型にととのえて、油で揚げます。

野菜やお肉の種類を変えて、つくね、ハンバーグ、ロールキャベツに応用してもよいでしょう。

簡単でヘルシーなおはぎ

白米1に対し、黒米2の割合でまぜ、必要分のご飯を炊きます。

市販の煮豆を用意します。彩りを考えると、ウグイス豆や花豆がきれいです。
煮豆を、すりこぎ棒やフードプロセッサーでお好みにつぶせば、あんの出来上がりです。

炊きあがったご飯を、すりこぎ棒で少したたいて粘りを出します。
軽く一握り分のご飯を手のひらにのばし、中心に豆のあんを入れ、丸めて形を整えると出来上がりです。

まん中で切ると、色合いが美しいおはぎです。

赤米のお赤飯

もち米1合に対し、赤米を、大さじ1杯用意します。
赤米は、カップ一杯のぬるま湯で3時間以上浸しておきます。
赤米の浸け水を含めて水加減しますので、浸けた水はとっておきます。

もち米は、洗ったら20分ほど水に浸けておきます。

水加減は、炊飯器に炊きおこわの指示があるときはそれに従います。
指示がないときは、普段より気持ち少な目に水加減します。炊飯器で炊きます。

ごま塩を添えてすすめます。

ロールキャベツの彩穀リゾット

充分水に浸した彩穀をバターでいためてから炊いておきます。
バターを使いたくない場合は、炊いた彩穀ご飯をそのままつかいます。

たまねぎ、マッシュルーム、にんじんなどの野菜をみじん切りにしてバターでいためます。
バターがだめな方はオリーブオイルなどいつも使っているものでどうぞ。

キャベツの芯をくりぬき、くりぬいたほうを上にして沸騰したお湯に入れます。
しんなりしてきたら外側から順に葉をはがしてざるに上げていきます。
ロールキャベツにするには無理かな?という大きさになったら残りも引き上げます。
キャベツの葉脈の根元の厚い部分をそいでまきやすいよう整えておきます。

大き目のボールにいためた野菜、彩穀ご飯、ひき肉を入れて練ります。
ロールキャベツにするには無理かな?と思ったキャベツの芯に近い部分や、そいだ葉脈なども刻んで入れてしまいます。
塩、胡椒で味を調えます。
彩穀ご飯、炒めた野菜、ひき肉の割合はお好みですが、5:2:1くらいにすると体が喜ぶおいしいバランスになります。
また、アレルギーなどで肉がだめなら入れなくてもかまいません。

キャベツの葉に適量の具を載せて巻いていき、楊枝で留めます。
たっぷりのスープに巻き上がったロールキャベツを入れて弱火でキャベツが柔らかくなるまで煮込みます。スープはコンソメ、ホワイトソースなどお好みで。

彩穀ご飯にスープの味がしみてとってもおいしくなります。内容からいえばリゾットなんだけど食感はロールキャベツそのもの。お肉をほとんど使わないのにコクがあり、中の彩穀ご飯もキャベツに巻いてあるので長時間に込んでもデレッとしないところがうれしいです。彩穀はひき肉代わりに大活躍。ダイエットにも効果あり。お試し下さい。

古代黒米・紫黒モチ米

白米もしくは玄米1カップにたいして大さじ1杯の黒米を加えます。水加減、炊き方はいつもどおりで。お米をといでから古代米を加えて後はさっとすすぐくらいの感じで。

少量の酢を加えると色がいちだんと華やぎます。一度炊いてみて色や味の加減がわかったら、後は好みに合わせて量を増やしていきましょう。食べなれると2カップ半にたいして半カップ入れるのがおいしいという方が多いようです。


古代赤米・朱赤モチ米

黒米よりも硬めです、といってもお赤飯の小豆程度の感じですが、白米といっしょに炊くとき柔らかいのがお好きな方は、あらかじめ赤米を水につけておく、先に赤米だけにておく、小鉢に水と赤米だけ入れ電子レンジでチンする、などの工夫をしてみてください。そのとき使った水もご飯を炊くときに加えましょう。玄米に加えるとき、赤米だけで炊くときなど、玄米を炊く方法でしたらいつもどおりで大丈夫です。


彩穀ときのこのドリア

○材料 4人分

彩穀1カップ 水1カップ たまねぎ きのこ各適宜 べシャメルソース(豆乳1カップ,地粉大さじ1、マーガリン大さじ1) マーガリン パン粉 自然塩 コショウ

  1. 彩穀は同量の水で炊く
  2. タマネギはスライスして、きのこと、マーガリンで炒め、塩、コショウをふる
  3. べシャメルソースをつくる。地粉をマーガリンで色づかないように気をつけながら炒め、粉臭さが消えたら、豆乳を一気に注ぎ入れ、泡だて器をでダマができないように攪拌しながら火をとおし、とろみのあるソースに仕上げる。
  4. グラタン皿に薄くマーガリンをぬり、1.の彩穀 2.の野菜の順に入れて、上から 3.のベシャメルソースを流す。
  5. パン粉をトッピングして、オーブンで焦げ目がつくまで焼く。

玄米おこげのあんかけ

○材料 4人分

玄米ご飯 茶碗2杯分 野菜各種適宜(タマネギ、人参、ピーマン、白菜、乾し椎茸、タケノコなど) 調味液(椎茸の戻し汁 2カップ、しょうゆ 大さじ3、酒、自然塩、片栗粉、コショウ 少々) 植物油 ごま油

  1. 野菜あんをつくる。野菜を乱切りにしてごま油で炒め、塩・コショウをふる
  2. ここに椎茸の戻し汁をそそぎ、酒、塩、しょうゆで調味して、水溶き片栗粉でとろみをつける。
  3. 玄米ご飯を油であげておこげをつくり、アツアツのうちに 2.の野菜あんをジューッとかける

彩穀ローフ

○材料 4人分

彩穀 3カップ 水 3カップ 自然塩・ベイリーフ 適宜

  1. 鍋に彩穀とたっぷりかぶるくらいの水、塩少々を入れて火にかけ、10分間煮て、ざるにあける、固いようならさらに水を足して調整する。
  2. ローフ型を水で濡らし 1.の彩穀と分量の水、ベイリーフを入れる
  3. アルミホイールでふたをし、160度のオーブンで1時間焼き、型を皿の上にひっくり返してとりだす。
  4. まわりに温野菜をかざり、トマトソースを添える

◎応用編

彩殻ローフのロールキャベツ

ロールキャベツの中身を彩殻ローフでつくり、トマトソースなど好みのソースで煮る

彩殻ローフフリッター

キューブ型に切った彩殻ローフに水溶き地粉をつけてカラリとあげる


古代米パウンドケーキ 

○材料 4人分 (14cmパウンド型2個分)

小麦粉 300g ココア 10g 古代米粉(赤・黒どちらでも) 25g マーガリン 250g メープルシロップ 50g はちみつ 50g 米飴 50g 卵黄 3個分 ラム酒 大さじ1 メレンゲ 卵白3個分・メープルシロップ90g

  1. 古代米はフライパンでから煎りし、あら熱をとっておく
  2. 小麦粉、ココア、古代米粉はあわせてよくふっておく
  3. ボウルにメープルシロップ、はちみつ、米飴、ラム酒を入れ、混ぜ合わせる
  4. 別のボウルでマーガリンを白っぽくなるまでよく攪拌し、卵黄を加え、さらに攪拌しておく
  5. メレンゲをつくる。卵黄をよく泡立てメープルシロップを加えてさらに泡立てておく
  6. 攪拌したマーガリン 4.のなかに 2.の粉を加えてあわせ、最後に 5.のメレンゲをさっくりあわせる
  7. 油を薄く塗ったバウンド型に 6.の生地を流し込み、170度のオーブンで45分焼く

黒米パン

○材料 4人分

強力粉 380g 古代黒米粉 40g 水 290cc バター 6g 砂糖 4g 塩 6g イースト 3g

リーガル社のブレッドメーカーを使う時

5 の french を選択してスタートボタンを押すだけ。タイマーを利用して給水時間を増やしてやると黒米の発色がよくなります

他のメーカーのパン焼き器を使う時

発酵時間を長くとれる方法を選択して下さい。粉の分量はメーカーの指示に従って、黒米の割合は1割までで試して下さい

自動パン焼き器を使用しないとき

古代黒米はあらかじめ、から煎りしておきます、強力粉と古代米粉をあわせておきます、発酵は低温で時間をかけて、焼くときも低めの温度で時間をかけるのがコツ。ドライイーストより天然酵母を使ったほうが上手にできます。


彩穀ご飯
白米1合あたり大さじ1杯の彩穀を加えて炊いた彩穀ご飯。
土鍋で炊くと早くておいしい。3合で15分の炊きあがり。