No.45


□■原発情報 5・12 ■□■

原発事故ですが、実はメルトダウンが起こっていたなど大変深刻な様相が明らかになってきました。
いったい汚染はどこまで広がっているのか、不都合な情報でも隠すことなく、事実は事実として一刻も早く国民に提示してほしいと思います。

群馬県においても汚染は免れていませんが、私たち農業者が一番知りたい土壌汚染についてはまだデータが出てきません。
現在発表されている大気中の汚染数値を見る限りでは、群馬県の汚染度は埼玉や新潟より低く、関東では最も低い数値です。

安全安心を最も大切にしてきた農園としては、これからも安全な食べ物を届けたいと思いますが、今回の事態は農園の力の及ぶところではありません。
今わかっている事実に基づいて農業者としてできる手だてを尽くすことが精一杯の対応です。

セシウムはカリウムと構造が似ているので、土壌中にカリウムが十分にあれば吸収する割合が少ないということです。
カリウムが多い元肥の代表的なものは牛糞堆肥ですので、施肥計画については変更せず従来通りでおこないます。
土壌が汚染されている場合、植物によって吸収する割合が異なり、米への移行率はかなり小さく、、小麦への移行率は若干高く、大豆はさらに高いという数値が公表されています。
汚染が許容の範囲であれば、同じ土壌で栽培する穀物の中でも米は最も安心と言えますから、農園では急きょ大豆の作付を大幅に減らし、米の作付を増やしました。

海の汚染も非常に心配な状況になっており、食料確保にも不安が出てきています。
エネルギー不足から日本経済の失速も懸念される中、これまでのように世界中から食料を調達する力があるのかも心配です。
国民を飢えさせないのは農業者としての使命と思いますので、農法などに留意しながら、今は粛々と今まで通りに日々の作業を行っていきます。
そのうえで、収穫物の扱いをどうするかは、まだ時間がありますので、じっくりと考えていきたいと思います。

群馬県では、県内全域を1キロ四方ごとに区分して土壌採取して検査結果に基づく汚染マップを作る作業に取りかかったとのことです。
情報が入り次第、発信をしていきます。


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