☆産経新聞群馬版毎週金曜日掲載で『群馬女性5人のリレーエッセー』が2005年1月からスタートしています。
5週に1回づつ寄稿している浦部農園マダム・オリザの文章を産経新聞の承諾を得て転載します。
No.15 2006.8.25 産経新聞群馬版掲載『群馬女性5人のリレーエッセー』より
体と向き合う・・・原田先生との出会い
体を動かすと言っても農作業は重労働。炎天下いい汗はかきますが、同じ姿勢の繰り返しは体を固めてしまいます。何より腰、そして膝の痛み。くの字になった体を農夫症と言うのだそうですが、この労働を長年続ければあの体にたどり着くのかと思うと暗澹たる思いもありました。それでも寝たきり状態から私を引き戻してくれた農作業は後々の体型変化の不安をのぞけば辛さを突き抜ける達成感もあります。夜ごと夫婦でやれ腰を踏めだの足をもんでだの言い合っていた日々がある日変わります。それが原田あつ子さんとの出会いでした。ご紹介下さったのはお米のお客様。この方は失礼ながらお年とは思えない端正な美しさで、かねがねあのように年をとれるのなら長生きもすてきだとひそかにあこがれていた方です。その方が『私の先生』とおっしゃる原田先生とはどんな方なのか。お会いしてまずびっくりしたのがその完璧なボディ。しなやかで均整がとれた実に美しい体型です。肌はつややかでたるみひとつ無く、顔も首もつるりとなめらか。しかしもっと驚いたのはお年をお聞きした瞬間。なんと50に手が届く・・・びっくりしている私に彼女はにっこりこういったのです。『皮膚って一枚なのよ。体を縮めたりゆがめたりしなければしわが寄ったりたるんだりはしないの。』縮んだりゆがんだりは経年変化、さけられないものと思っていたのに、それは自分が作るものだというのです。したがって農夫症もさけられるのに努力をしなかった結果だということらしい。夢中になった私は原田先生(この瞬間から私の先生!)に個人レッスンをお願いしたのです。彼女は私の暮らしにあわせた実践的なプログラムで私の体の問題点を次々に浮き彫りにしていきました。農作業の時の体の使い方、終わったあとのケアの仕方、目からウロコの体の知識です。この出会いが今日に至るまで私の体を支えているだけでなく、体の不調に悩むお客様にアドバイスすることになる、体の精緻で整合性ある仕組みを読み解く力になっているのです。