No.32



☆産経新聞群馬版毎週金曜日掲載で『群馬女性5人のリレーエッセー』が2005年1月からスタートしています。
5週に1回づつ寄稿している浦部農園マダム・オリザの文章を産経新聞の承諾を得て転載します。

No.27 2008.4.11 産経新聞群馬版掲載『群馬女性5人のリレーエッセー』より
西の畑の桃が満開です。春蕾という名のこの桃が、まさに桃色にかすみたつ頃、我が家の1年の農作業がスタートします。自給率の低さ危うさが懸念される中、高齢化、廃業がとまらない日本農業を再生するのは、これまでただ消費者によってのみ支えられ、生きのびてきた有機農業意外にはありますまい。また、有機農業なら参入したいと望む青年も後を絶ちません。農園でも今年4月からは農外からの新規就農希望者2人が加わり、農園が受け入れている研修生は3人になりました。農園での研修期間は2年間、その間に有機栽培の技術も販売方法は習得できますが、独立するには農地の取得や初期投資など高いハードルが待ちかまえています。農業で生きていきたいという青年、とりわけ農外からの就農者には、何らかの支援が必要なことは明白です。長年有機農業はホビー的農業との位置づけのもと、産業としては存在しないものとして黙殺され続けて、私たちは、孤立無援・粒々辛苦の取り組みを続けざるを得ず、ただ消費者の気概よってのみ買い支えられてきました。けれど有機農業推進法が成立したことによって、ようやく有機農業を推進するための施策が始まりした。その第1弾が平成20年度から始まる有機農業総合支援対策です。農園ではいち早く地域の有機農業者とともに地域有機農業推進事業に応募、事業団体としてとして認められました。これまで農園がおこなってきた研修生の受け入れや、有機栽培の技術交流、指導などがようやく支援されるようになったわけです。まだまだ追い風というほどにはなりませんが、それでもこれから日本の農業を担おうという若者に少しだけ扉を開けてくれたといえるのではないかしら。希望が見えてきた 今年の春です。

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