No.36



☆産経新聞群馬版毎週金曜日掲載で『群馬女性5人のリレーエッセー』が2005年1月からスタートしています。
5週に1回づつ寄稿している浦部農園マダム・オリザの文章を産経新聞の承諾を得て転載します。

No.31 2008.8.29 産経新聞群馬版掲載『群馬女性5人のリレーエッセー』より
5月に古代黒米の天気予報のことを書きました。3回の播種のうち、1回目は発芽が遅く、2回目は早い、だから今年は冷夏ではじまり一転猛暑になるのでは、と予測し、3回目の播種がどうなるか?と締めくくりましたが その後どうなったかとお問い合わせをいただいていますので、続編です。
 3回目の播種はやや早め、といったところでした。これで判断する限りでは、冷夏ではじまり、一転猛暑となり、秋が早い、と読み解くことができると思います。で、実際はどうだったかというと、冷夏を心配するほどの低温が続いたのち、一転猛暑となりました。そして黒米の稲穂は例年より早く、すでに出穂をはじめています。このままいけば例年より早い収穫になるのは間違いありません。おそらく急に冷え込みがはじまり秋から冬への移り変わりが早いのではないかという気がします。一方、同じ古代米でも、古代赤米の方は発芽も例年どおり、早く植えたほ場も遅く植えたほ場も出穂期が近づくにつれ差がなくなっています。今年も例年どおり秋風がふきはじめて出穂、霜が降りて色づくつもりのようです。いのちは環境に適応するため進化をとげてくるのだそうですが、古代黒米は成長をその温度に合わせ、赤米は光に合わせているように思います。熱帯から亜熱帯が原産とされる黒米と、亜熱帯から温帯が原産といわれる赤米の違いかもしれません。身土不二という言葉がありますが、いのちあるもの皆、生まれ育った土地の記憶をその遺伝子に刻みつけているのだと感じさせられます。人もまた同じ、民族を育んだ食性、食習慣は、体の記憶に刻み込まれているはず、それを守ることが、身を守る一番の近道だと思います。

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